アクセル・トスカ来日公演 ご報告

11月4日に開催された『モントルー・ジャズフェスティバル・ジャパン』での菊地成孔+アクセル・トスカ・プロジェクトのライブ、大盛況でした。
コンサートが終わってから10日以上経ってのBlog更新ですが…怒涛の来日公演で気力体力共に使い果たし、blog等を更新する精神的余裕がありませんでした。
菊地さんとの共演は、リハーサルの段階からアクセルが、ホテルに楽譜を忘れてくる等の小さなトラブルを繰り返し、ホントに僕は心がヘトヘトになりました。
天才と付き合うのは大変なんです!
でも、菊地さんはそんな小さなトラブルを喜んで、コンサート終了後には『アクセルはモーツァルトみたいだ、いろんな意味で』と最大級の賛辞をいただきました。 でも、いろんな意味でモーツァルトですからね。ピアノの才能もですが、私生活や行動パターンが全部アマデウスなんですから…
繰り返しますが、天才と付き合うのは大変なんです!
が、そのぶんアクセルが僕にもたらしてくれる喜びもデカいです。今回の菊地さんとのライブは強烈な演奏の連続で、舞台袖で演奏を聴いて心が震えました。
僕も今は亡き老舗ジャズ雑誌『スイングジャーナル』で10年以上ライターとして活動してましたので、それなりに多くのジャズフェスを観てきましたが、日本人アーティストと外国人アーティストが、これほどスリリングで予定調和じゃない演奏を披露することは滅多にないかと思います。
この、危険な綱渡りのような緊張感に満ちた演奏が、恵比寿ガーデンホールという大箱で開催されたことも大きい。僕は超満員の客席を見て緊張と恐怖に襲われ、お客さんの反応を確認することができなかったのですが、後でスタッフの方に聞いたところ、大変な盛り上がりだったとのこと。
アクセル・トスカ、お前を信じてよかった。
コンサート開演直前に「エレクトリック・ピアノじゃなく、スタンウェイが弾きたい!」ってゴネられた時は本当に困らされましたが…
いやホント、天才と付き合うのは大変なんです!
翌日5日に恵比寿ガーデンシネマで行われた『Cu-Bop across the border』の特別上映会にも多くの観客の皆さんにご来場いただき感激でした。当初は映画上映後に僕の講演会を行う予定でしたが、急遽アクセルのピアノ演奏に変更。映画館に持ち込んだキーボードで自作曲を2曲も演奏してくれ、お客さんからも喝采を受けました。
全てのイベントが終了し、アクセルを羽田空港まで送り届けると、全身から緊張感が消え、空港のロビーにへたり込みました。トイレの鏡で自分の顔を見て仰天、髪が白髪だらけになってました。極度の緊張で白髪になるって都市伝説だと思ってたんですが、本当だったんですね…
来年からはいよいよ映画『Cu-Bop across the border』の本格上映、そして関連アーティストのイベントも随時開催していきます。
僕ももっとタフになって来日ライブ等をどんどん仕掛けていきますので、よろしくお願いします。